凪とスウェル
その後、あたしは隆治と一緒に砂遊びをしたり、貝殻を拾い集めたり、島を散策したりした。


時折、隆治が隠れたりするから、それには困った。


必死に探していると、ワッと脅かされ、そのたびに心臓がどうにかなってしまいそうだった。


本気で驚くあたしの様子を見て、隆治は面白くて仕方がない様子だった。


こういうところがガキだよね、隆治は。


とはいえ、こうして二人きりでいる時間は幸せで、なかなか良い感じじゃないのと思ったその直後、あたしがトイレに行きたくなったことで、全てが台無しになってしまった。


そう。


無人島にはトイレが無いのだ。


山の中でしろと隆治にスコップを手渡され、一気に青ざめてしまった。


絶対見ないでよ!と念を押したら、誰が見るかアホ!とひどく怒鳴られた。


ハッキリ言って、死ぬほど恥ずかしかった。


楽しい一日ではあったけど、もう二度と無人島には行きたくないなと思うあたしだった。
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