凪とスウェル
あぁ…。


東京の友人達は、いつそれを決心したのだろう。


あんまりそういう話は好きじゃなくて、そのテの話になるといつも避けて来たけど。


もっと聞いておけばよかったな…。


流されてするのはダメだよって友達には言って来たけど…。


この状況ってどうなのかな…。


これだけ理性を保って来てくれた隆治だもの。


軽い気持ちで言ってるんじゃないのはよくわかる…。


隆治としばらく会えないって思ったら、確かにあたしももっと隆治に触れたいって思う。


それって、そうなりたいってことなのかな?


そういう…ことなのかも…。


「隆治…」


「ん…?」


「しようか…」


「え…?」


「隆治となら…、そうなってもいい」


あたしの言葉に隆治が、大きく目を見開く。


言った直後、言いようのない不安と戸惑いと恥ずかしさで、一気に全身から汗が噴き出した。


そんなあたしを見ながら、隆治は目を細めて、優しく微笑んでくれた。
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