凪とスウェル
すず…。


ごめんな。


初めてだから、どうコントロールしていいかわからない。


本能のままに身を任せたら、きっとすずを怖がらせてしまうから。


これでもなんとか、理性を半分保ってるんだ。


すずはきっと、知らないんだろう。


この部屋に二人きりでいて、ちょっと沈黙が続いただけで、どれだけ俺が意識していたか。


一緒にゲームをしながら、何度そのまま押し倒しそうになったか。


ヘタクソだの、お前にはゲームの才能がないだの、ひどいことを言ったけど、ああでも言ってないとホントにヤバかったから。


春休みに行った無人島。


俺が昼寝から起きると、すずは俺の隣で無防備に眠っていて。


おいっ、周りに誰もいないんだぞ。


襲おうと思えば、襲えるんだぞ!


思わず、あーーーっ!と叫びそうになった。


ったく、人の気も知らないで、よくまぁのん気に寝れるよな。


そう思いつつ、ほっぺにはキスしたんだけど。


しかも両頬に1回ずつ、計2回。


でも、このことはすずには内緒だ。
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