凪とスウェル
彼女の意外な一面
片岡君の優しさに触れてからというもの、あたしは少しずつ片岡君のことを考える時間が増えつつあった。


彼はメールもマメで、一日に一度はメッセージを送って来てくれていた。


会いたい気持ちはあったものの、お互い試験の準備に手を抜けないタチなので、試験が終わるまで会えなさそうだ。


そんな試験の準備で忙しくしていた7月の半ば、あたしの大学の食堂に、高校時代の親友の友子が遊びに来ていた。


ちなみにもう一人の親友マキは、短大を出て、すでに企業に就職してしまった。


「すずー。あんたの大学って、地味な子が多いわねー」


「またそれを言う。前に来た時も同じこと言ってたよー」


「頭が良いからなんだろうけど、真面目そうな子ばっかりで、なんかつまんなそう。

当然だけど、女子ばっかりだし。

私には絶対耐えられないわー」


友子は美人だから、通っている大学でもモテまくっているらしいけれど。


「それはそうと。すずってさー、島に転校してからちょっと変わったよねー」


「え?」


どういう意味?
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