凪とスウェル
運命を分けた日
繰り返し、繰り返し。


頭の中で同じ言葉がリピートしていた。


『あの日、隆治はあの駅に来ていた』




もしかしたら?っていう思いは、少しあった。


おばあちゃんの家で、隆治が寝言であたしを呼んだ時と。


朝まで隆治に抱きしめられた時に。


やっぱり。


思っていてくれたんだ…。


それなのに、どうして。


どうしてあの日、会ってくれなかったの?


聞くのは、正直怖い。


だけど、知りたい…。


あの時、一体何があったのか。


あたしはドキドキしながら、自宅近くの駅のロータリーで右京君を待った。
< 512 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop