凪とスウェル
俺を見ながら、右京は大きくため息をついた。


「お前の気持ちはわからないでもないんだけどよー。

でも、すずはどうなるんだよ。

お前、アイツがいつまでも待ってくれると思うなよ?

あっくんには俺から事情を話しておいたけどさー、あっくん結構すずに本気だったんだぞ?

お前がそんな態度だと、あっくんだっていつ動き出すかわかんねーし。

あれだけの美人だからなぁ。

すげーいい子だし。

お前が罪悪感に苦しんでいる間に、どうなっても知らねーぞ?」


右京にそう言われて、拳に力が入っていた。


「失ってからじゃ遅いんだ。

その時どんなに後悔しても、もう取り返しはつかないんだぞ。

やっと気持ちが通じ合えたんだろう?

すずを幸せにしてやれよ。

お前はもう充分頑張ったよ。

少なくとも俺はそう思うけどな」


右京にそう言われて、俺はうんと静かに頷いた。


そうだよな…。


もう二度とすずを失うのはイヤだ。


言わなくちゃいけない。


どう思われようが、何と言われようが…。



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