凪とスウェル
ぶぅと膨れていると、八神があたしの方を見た。


「まぁ…。ヒントくらいなら、教えてやってもいいけど」


「えっ?」


どういう…意味かな?


「また、いつでも乗せてやるよ。バイク…」


にっこり笑う八神の顔に、あたしの頬がボッと熱を帯びた。


多分、耳まで赤くなってそうだけど、夕日がオレンジ色で助かったと思った。


「あの…、ありがと」


「ん?」


「今日、ありがと。

すごく、楽しかった…」


あたしがそう言うと、八神はさらににっこりと笑った。


その顔がいちいち綺麗で、本当に参ったと思った。


「そろそろ帰るか。

あんま遅いと、キヨさんに叱られそうじゃん?」


「あー、確かに」


思わず二人でクスクスと笑った。


こうして、あたしと八神は岬を後にした。


バイクに乗った後も、夕日はあたし達を、綺麗なオレンジ色で包んでいた。
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