凪とスウェル
おじいちゃんが亡くなったって親戚から電話がかかって来た時は、目の前が真っ暗になった。


結局、何も話し合えないまま。


仲直りも出来ないまま。


おじいちゃんは逝ってしまった。


胸が痛くて、苦しくて、沢山泣いたわ。


こんなことなら、たとえ叱られても、怒鳴られても。


ちゃんと謝れば良かったと後悔した。


島に行くと、近所の人の冷たい視線が苦しかった。


ヒソヒソと私を見て何か言っているのも、つらくて仕方なかった。


成り行きだったけれど、隆治を東京へ連れて帰ることになって。


私は内心嬉しかったけれど、隆治はすごくイヤそうな顔をしていたよね。


でもどんなにイヤでも島に置いておくわけにもいかなくて。


それで隆治を東京へ連れて行った。


あの時、フェリーに見送りに来ていた女の子。


もしかして彼女かなとは思ったけど。


隆治がその子と別れるのを、そんなに悲しんでいたなんて。


お母さん、今の今まで知らなかったわ…。
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