愛の詩-もしも私が消えたとしても-
愛と和花と龍一と
桜島愛、19歳。
勉強をしても成績は平均以下。
どこにでも転がっている自宅浪人生。

人と違うことは、私の身体を二人の人格が保有しているという事実。
戸籍上の名前は、桜島愛。
つまり、桜島愛と認識している私は主人格ということになるようだ。
けれど、この身体は私1人だけのものではない。
武内和花、23歳。
利発で勉強熱心な和花は、私の身体が保有するもう1人の人格。
病名は、多重人格障害。
どういうわけか、私の身体には二人分の人格が宿り、障害として認定されてしまったのだ。
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