やくたたずの恋
「へぇ……なかなかのモンだな」
 雛子の全身を眺める恭平に、悦子は「でしょ?」と巨大な胸を張る。
「あ、あの……それで、どんなお客様の相手をするのですか?」
 悦子にメイクをしてもらっている間じゅうも、雛子はそれが心配でならなかった。控え室にいた女たちが、客のことを話しているのを聞いてしまったせいだ。
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