ワガママ狼男と同居始めました。
志木が私に近づく。
「……志木っ……」
志木が思いっきり私を抱きしめた。
いつもと違って、痛いくらい力が強かった。
「……志木…………」
「……久しぶりだな……」
久しぶりって……。
「……毎日学校で会ってた……。」
「……会ってないよ。」
志木のワイシャツに頬があたる。
「……は、離してよ……。人が来る……。」
「来ない。」
「来るよ。」
人の足音がドアの外を通りすぎるたびにドキドキする。
志木を無理やり突き放した。
「……お前何化粧なんかしてんの。」
「……奏に無理やりやられたって言ったじゃん……。」
「……文化祭なんて、他のクラスのやつとか、他校のやつとか、いっぱいいんだぞ。」
「………………。」
それは…………嫉妬……?
「……紅葉。キスしていい……?」