ワガママ狼男と同居始めました。
結構奥まで来たな……。
「きゃっ!虫!!」
「いや!!」
岡田ちゃんたちが騒ぎ出す。
奏も私にしがみついている。
女の子だなー……。
「じゃあそろそろ引き返そっか!」
霧島くんが明るく言う。
みんなで宿舎の方へ戻ろうとすると、志木が立ち止まっているのに気がついた。
なんか見てる……。
志木が見ている方向を見ると、遠くの方に何か動物がいるのが見えた。
あれは…………狼……。
「小野寺くん。」
私の呼び掛けに志木はハッと我に帰り、私の方を見る。
「あ、ごめん……。」
ちょっとかわいい……。
私はニコッと笑い、「早く行こっ!」と言って走り出した。