ワガママ狼男と同居始めました。





別にそろそろ言ってもいいかな、って想うけど……。

本人の前でどこが好きか、とか聞いてきそうで言えない……。



「うわっ!もう20:00!
ごめんね、こんな遅くまで。」


「いいよ!また明日学校でね。」


「また来てね」とは言えなかった。



「じゃーねー!早く好きなひと作りなよー!」


大声でそんなこと叫ぶな!


志木と一緒に玄関から2人を見送った。



「……なんで俺のこと好きって言わなかったんだよ。」


「志木がいるからに決まってんじゃん。」


「……だって俺はお前が俺のことを好きって知ってるじゃんか。」


「ハイハイ。」


受け流して部屋のなかに入り、コップを洗い始める。


「おい、忘れてんじゃねぇだろーな。」


「何を?」


「お・し・お・き」



バッと後ろを振り返ると、悪そうに笑う人間の志木がいた。





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