もう…我慢できない




思い掛けない事で、あたしは言葉が出なかった。




「元気...じゃぁないよな。それ、大丈夫なのかよ」



ビックリして返事もしないあたしにドンドン近付いてくるハル。





「おぃ、くるみ?聞いてる?」



「あ....どうしているの?」




「いちゃダメ?」




「ダ...ダメじゃないよ!でも...あたしの事嫌いになったでしょ?」




あ、ヤバい...泣きそう。



涙で視界が歪んできた。


ハルの顔がボヤける。






「あのさぁ...泣くぐらい痛いの?」



あたしは大きく首を左右に振った。



「ちが...っくて..だって...ハル..っっもぅ..クチ聞いてくれな...って思って...だかっっら..」



泣きながら必死に喋ってると




ふわっとハルの大きな手があたしの頭に乗った。




「まぁ、ムカついたけどさ。さすがにこんなケガ見ちゃったら心配するっしょ?」




フッて笑って頭を撫でてくれた。
< 126 / 202 >

この作品をシェア

pagetop