定期からはじまる恋
手は掴まれたまま。
さっき歩いた道のりを戻る。


渦が去ったあとのホームは、
台風が去ったあとみたいに、綺麗で。


普通電車がきて、彼はこっちを振り返ってニコって笑った。



…あ。
八重歯発見。


ずっと目で追ってるだけだった彼が
今眼の前にいることが、夢みたい。



電車に乗ったら、誰もいなくて。
脚本なしのふたりぼっち。
彼が座って、おいでって言うから。
隣りに座った。


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