未来からの贈り物
僕は手紙を封筒に戻し、視線を妻へと戻した。


妻も僕と同じような表情をしている。


けれど目が合った瞬間妻はクスッと笑い、それにつられて僕も笑った。



『妻に殺される』と言われているのに戻ってきた夫。


『夫に殺される』と言われているのに戻ってきた妻。


そして二人揃っていつもの様にこの家のソファーに座っている。


そんな状態に僕達夫婦はただおかしくて笑ってしまったのである。


ただ誰かが僕達の出会いを阻止しようとしている事実…。


そのことは解決していないが、その手紙によって二人の愛が本物だと気付いた日になったのも事実であった。


いつもなら妻が家事をして僕は先に眠りにつくのだが、この日は僕も家事を手伝い、今日は二人一緒に布団に入った。


今日は何かと『特別』の多い日になった…。



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