嘘つき*シュガー




「元輝?」



「王子様かなんだか知らないけど、本当に損な性格だね」



「…………」



「恐れてばっかりじゃなくて、自分の気持ちに素直になりなよ」




元輝にしては真っ当なことを言ったと思った。




……っていうか。




「今、初めて元輝を尊敬した気がする」



「……正直すぎるよ」




2人で目を合わせて、笑った。




「ありがとな、元輝」



「あぁ、思ったままの気持ちを伝えればいいから。がんばれよ」




ガッツポーズをしてみせる元輝に笑って、俺は教室を出た。



< 297 / 403 >

この作品をシェア

pagetop