嘘つき*シュガー




奈々がいなくなって、ちょっと安心。



これ以上晴真先輩との話を広げられたら、ボロが出てしまいそう。




「……千亜樹」




だけど、そんなあたしの前には真剣な顔の弥がいた。




「どうしたの、弥」




そんな顔して。




そう言う前に、弥の腕があたしの手首を掴んだ。



「……っ、弥!?」



「ウソだよな?」



「え?」



「立川先輩と付き合うなんか、ウソだよな?」




何かを訴えるような、真っ直ぐな瞳。




< 79 / 403 >

この作品をシェア

pagetop