信心理論
1.

僕の毎日は、何も変わらず、これからも変わることなく、廻り続ける。

けれどきっと、それは思い過ごしで、実は毎日少しずつ何かが違っていて、僕がそれに気付いていないだけなのだろう。

それでも僕は、気付かないフリをしてきた。
そして、これからもずっと、そうし続けるだろう。


何故か?

それは、
簡単なこと。



自分以外の人間に関わるのは、面倒くさいことだから。


誰かに関わって、何かを学んで、
それを使って自分が生きて。
とても大切なことじゃないか、ってみんなは言う。


けれど、僕は言う。


他人に関わると、リスクはそれ以上に多いじゃないか!と。

誰かに関わると共にその誰かを信じて、裏切られて、
使われて、
傷ついて、
落ち込んで、
いつしか自分が
使い物にならなくなって。


けれどみんなは、それを乗り越えて強くなるんだ、って言い返す。

でも、そんなことを避けることが出来るなら……逃げることが出来るなら、


初めからそんなことやめればイイ。



だから僕は、自分以外の人間には関わらない。

関わりたくない。



……シン?
ああ、シンね。
僕の弟。僕が唯一関わる人間。

あいつは今までに、友達に裏切られて、終いには母親にも裏切られて。

それでも他人に立ち向かっていく、馬鹿なヤツ。

でも、だからこそ、シンは絶対に誰も、裏切らない。
< 4 / 12 >

この作品をシェア

pagetop