先生


次の日。

言っていた通り、春山先生が迎えに来た。

訳ありではあるけど、一応人の目を気にして朝早くに出ていくことになった。

「じゃあ太陽、芽唯よろしくな。」

お見送りをしに来たお兄ちゃんが言った。

「はい。気をつけて行ってきます!」

「お兄ちゃん行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

そして私たちが乗った車は走り出した。

「先生ごめんね。」

「なんで謝るの?」

「だって…」

「迷惑なんて、思ってないけど?」

春山先生は笑顔で言った。

それにつられて私も笑顔になった。

「よかったぁ。」

「俺こそ、こんな朝早くでごめんな。」

「そんな、全然だよ。送ってもらえるだけで感謝してます!」

私がそう言うと春山先生は笑った。

「そっか。
でも、眠かったら寝てていいからね。」

「ありがとう。」

< 331 / 436 >

この作品をシェア

pagetop