Golden Apple
「あ?」
低い声であたしも威嚇をする。
ミヤシタが腕を掴もうとしたのをすり抜けて、そちらへゆっくりと歩く。
三人のうち一人が、ロン毛も、あたしの方へ歩いてくる。
「お前何?」
「消え失せろよ」
「ああ、そうか」
口元が吊り上がる。これから起こることを考えると、先に表情がでてしまう。
「お前は日本語の正しい使い方も知らないのか」
右手を挙げたには同じタイミング。でも、あたしの方が振り下ろすのが速かった。
それからはもう散々だった。
あたしじゃなくて、ロン毛野郎が。