Golden Apple
真っ暗だった。
目を開けているのかさえも分からないほどに真っ暗だ。
あの時のまま制服を着ているのは分かる、けれど寒い。
ここ外だ。
手に感じるのは土や小石。上を向いても星は見えない。
多分夜なんだと思う。身体のどこかが痛いとか空腹は感じないけれもども、これでは凍死する。
冬の屋外に放置されて死ぬとかマヌケすぎだろ。
兎に角丸まった。段々と目が慣れて周りを見回すけれど鞄は見当たらない。
「…さっむ」