星屑ビーナス



「…真崎、さん…?」



戸惑いながらも、その腕は拒むことはない。



「…ど、どうしたんですか、いきなり…」

「…何となく」

「…何となく、ですか」

「…何となく、だ」





我ながら、なんて色気のない言い訳。

何となくなんかじゃない

ちゃんとここに愛しさがある

溢れ出したら止まらない

心にひとつ、確かな気持ち



(…好きなんだろうな、きっと)



強くて弱い、彼女のことが







< 236 / 334 >

この作品をシェア

pagetop