『拝啓、貴方へ』
「嘘だよ、和くんは理想の彼氏だもん。浮気なんてするわけないじゃん。
私はこう見えてもねぇ」



「一途なんだからね。何回か付き合っても続かなかった瑠璃とは違うんだからねでしょ?
分かってるから。舞がいつまでも一途なのは。」



「よーくお分かりで。」




パンパンッ




丁度、話が終わった時に男の人が手を叩いた。




「まったく、このクラスはお喋りさんが多いのか〜?
ごほん、俺は真田晃。
このクラスの新しい新任担任だ。
科目は数学。よろしくなぁ!」




クラスの所々から「よろしくー!」や「おう!」という応答の言葉が聞こえる。



私も一応よろしくと小声で言ってみる。


気づいていないようだ。




「先生、田中先生はどうなったんですかー?」




クラスの明るい女子が手をあげながら質問を発する。


確かにと皆が首を曲げて頷く。




「あー、田中先生は、昨日から長い長ーい休みをとってるんだ。
皆も理由はわかるだろ?」



「なんですかー?」




理由は分かりきってる事なのに、馬鹿な男子がまた手をあげて話す



周りが笑の渦に包まれた。




「おいおい、妊娠だよ、にーんーしーん!」



「うわー、先生恥ずかしいーw」




また笑が起こる。



先生は早くも馴染めているようだと廊下で校長先生がうんうんと頷いていた。
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