【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー



あの日と少し違う、自分を認められるようになった雅治。



異国の王子様みたいな見た目を少しでも和らげるようにしていたあの夏とは違う、今のその姿。



相変わらずのふわふわパーマだけど、異国の血を引く金髪とも茶髪とも取れない髪の毛の色。私と付き合うようになって、その髪の毛を隠すことを止めた雅治は、銀髪に染めるのも止めていた。



眼鏡も、外では陽射しを避ける為のものだからかけているけど、室内ではかけないで素顔を見せるようになった。



自分の見た目にコンプレックスを持っていた雅治は、今はお祖父ちゃんの異国の血を継いだことを誇らしいことだと思っているんだ。



「永太ァァ!悠莉から離れろクヌ狼ー!」



遠くから勢い良く走ってくる雅治に、私を絞めていた永太はクスッと笑う。



「やれやれ…狼扱いなんて失礼ですねぇ…さ、ダーリンのところにでも行ってあげたら?」



そっとホールドしていた腕を解き、その手で背中を押す永太。



私はあの夏よりもずっとずっと輝いたあの笑顔の元へ、一目散に駆け出した。
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