【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
恐怖が去った居間で、澪ちゃんがほっと肩を撫で下ろし、再び胡座をかいた。



「さて、今日聞いたことは、ちゃんとレポートに出来ますか?見ててあげるから、書きなさいよ。」



「…………はい。」



第2の被害者になりたくない私は、一度自室に戻り、レポート用紙と筆記用具を持って居間に戻る。



「写真はなかなか良いものがありますねぇ。澪が、珍しく、笑ってる。」



永太は私が撮ったデジカメ写真を見ていて、澪ちゃんとおじいちゃんの風景に、嬉しそうに微笑む。



私から見れば無表情な気がするけど、付き合いの長い永太からすれば、笑っている顔らしい。



「だぁやっさーけうむさたんってくとぅやっさー。アチャーや、わんを楽しちょぎりーさーな。」



そのくぐもった声に振り返ると、タオルで顔半分を拭う雅治。



えーっと、多分、それだけ楽しかったってことだから、明日は自分と楽しもう、みたいなこと言ってるのかな?



「アチャーは、わんとランデヴーやっさー、ユーリ!」



その、永太や澪ちゃんと違う柔らかなテノールボイスで、雅治は爽やかに笑った。
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