【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「失礼しますよ。」



永太が扉を開くと、中はまるで絵画の世界みたいな服を着た生徒達でいっぱい。



「ああ…そういえば、2週間後に那覇のホールで公演でしたねぇ。衣装合わせでしょうか。」



「澪も変わったぬ着ちょるよ。」



雅治が白い指先で示した先には、深い藍色の、ベルベット生地の衣装を着て手には小さなハープを持った澪ちゃんがいる。



「アリー?んなぁ揃ってぬぅがんばやーよ?」



こちらに気付いた澪ちゃんが、その格好でこちらへやって来る。



「様になってるじゃないの?今年は何をするの?」



「タンホイザーだがぁよ。」



澪ちゃんは私達の前でくるりと回り、無表情ながら楽しそうに自慢して見せる。
< 63 / 248 >

この作品をシェア

pagetop