君のイナイ季節
その夜。

かれんは心配して電話をかけてきてくれた。

「しかし、柏原は不死身なのかな。
真由を受け止めて地面に頭打ってるのに何にもなってないって」

かれんは鍛えているにしてもありえないよね、と付け加えた。

私は苦笑してしまった。

拓海くんは怪我一つなく、けろりとしていて、病院が終わってから普通に学校で授業を受けていた。

「高槻さんはしばらく停学よ。
…あの子、かなり妄想が酷くて、柏原の事が好きになってからずっと真由を逆恨みしてたのよ。
いつか何かしそうだったけど…」

かれんは大きくため息をついた。



今日、帰り際に拓海くんの様子を見に行ったら

「真由ちゃんに怪我がなかったから良かったけど」

と、あくまで私の事を心配していて

「怪我していたら…ただじゃおかなかったよ」

その目つきはまるで。

レースで勝負する拓海くんの目つきだったので。

ヤバイし、怖かった…



拓海くんは一度怒ると、ちょっと危険な人になる。

普段はのほほんとしているんだけど。

その反面が怖い。



多分、私が怪我をしていたら。

高槻さんは自分のした事以上に拓海くんに仕返しされていたんじゃないかと思う。



ある意味、高槻さんの妄想よりも拓海くんの怒りの方が怖い事を知った日だった。
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