君のイナイ季節
「知り合い?」

私は頷いて

「同じクラス。
で、最近付き合い始めたの。
今週、レースがあるって聞いたから」

パパは笑って

「同じ学校なのは店長、拓海君のお父さんから聞いていたけどね。まさか同じクラスで彼氏とは」

私はそう言うパパをちらっと見てからまた目線を雑誌に落とした。

『いつか世界に挑戦したい』

拓海くんはインタビューでそう答えていた。

いつか、彼は必ず世界に行く。

そんな人と私は付き合っているのか。

そう思うと何故か胸が苦しくなった。

だって。

世界に行ってしまったら。


毎日会えないから…
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