With 〜十字架と白薔薇〜
「ほら、ここ。」
「あ…」
男の子は慣れた手つきで
私の口端を拭う。
「玉ねぎ。」
私の唇から離れたそれは
彼の親指についていた。
からかうように笑われる。
でも、その笑顔にまた
吸い込まれそうになっていた。
ダメダメ!!
平常心平常心…
落ち着け自分。
「あ、ありがとうございます。」
私は動揺してるのを隠すように
お得意の笑顔で返すので精一杯だった。
笑われてるんだ、
自分も笑え。