この運命を奇跡と呼ぶならば。
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「桜ちゃん、落ち着いた?」


「えぇ。もう大丈夫よ。」


しばらくして泣きやんだ桜は目がまだ少し赤くなっているが今は落ち着き払っている。


「…ねぇ、さっき“桜”って呼んでくれたよね?もう一度、呼んでくれない?」


「え、む、む無理だよ…!!」


「…そっか。」

桜が何気なく沖田に頼むと沖田は顔を赤くして拒否を示したが、桜の沈んだ声と顔を見ると半ばヤケに言った。



「わかったよ!!わかったから、その顔はやめて…」


「ほんと…!!じゃあ、早く!」


「さ、さ、さ、桜…」


「ん。じゃあ、次からそれね。」

「…え!?」

沖田が顔を上げるとクスクスと楽しげに笑っている桜がいて、そんな桜を見て沖田も暖かくも優しく微笑んだ。
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