この運命を奇跡と呼ぶならば。
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半信半疑ながらも降りた村で桜は突き刺さるような沢山の視線を受けていた。


(仕方ないか…こんなカッコじゃ目立つか)


桜はTシャツにパーカー、ジーンズというスタンダードな未来の服装をしている為この時代の人間には珍しく、奇妙な存在であるのだが容姿が美しく、そこに居るだけでも大きな存在感を放っているため色んな視線が向けられているのだ。



彼女はそんなことは露ほどにも気にせず未来にはない物珍しいものばかりに目を奪われながら、キョロキョロと回りを見渡しながら歩いていると人だかりがあった。


(なんなんだ?)


覗いて見てみると、道に倒れている若い女の子と中年ほどの男が言い争っていて、というよりかは男が一方的に女の子に怒鳴っているように見える。


すると、男が腰にさしている刀を抜いて女の子に向け、刀を振りかざした。


「…チッ、何してる。」

その瞬間、桜は前に進み出て男の刀を蹴り飛ばしていた。


「おい、お前はなんなんだ!?」

男は突然出てきた桜に驚きながらも目を吊り上げ睨みつける。

「なんだか知らんが、女に手を上げるとは情けない。男の風上にもおけないな。」



「なんやと!?」

男はわざとらしくはぁ…と溜め息を漏らした桜に顔を赤くして今度は桜に向けて勢いよく殴りかかってくる。

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