物語られない私の物語
吉澤くんは、私の顔が周りに見えないように、自分の胸に、私の顔を押し当てた。
後頭部に添えられた手は、ゆっくり、優しく頭を撫でてくれている。
「涙と鼻水で、服、汚れちゃうよ・・・」
「そんなこと、気にしないでいいから」
彼の胸は、お陽さまのような、良い匂いがした。
気持ちが落ち着く、匂い。
「ありがとう・・・こんな、私なんかのために・・・」
「そんな安藤さんのことが好きなんだから、いいの。」
・・・あ、そうだ。
私、吉澤くんに告白されたんだった。