青い嘘とブルーなKISS
「寝ちゃった?」

「起きてるよ。」

瞼を閉じたままそっと言葉を返す。



「泣いてるの?」

「泣いてない。」




私は泣いていたのだろうか?

セナから見たら泣いてるように見えたのだろうか?

もし、泣いているとしたらセナはどう思ったのだろうか?



結局その後は特にお互いの関係を探るような会話もなく、「なんとなく」会ってみた二人の約束が成立されただけで朝を迎えることになった。



寝ている時間が勿体ない、と思ったわけではないのだが、普段の半分ぐらいの睡眠で目が覚め、閉じ込められたその空間のタイムリミットと向き合わなければならないと思うと、また涙がこぼれそうで、現実と向き合うためにも部屋の窓を開けることにした。


冷たく、ひんやりとした心地よい空気を感じながら空を見上げると、昨夜の雨が嘘だったかのように綺麗なアクアブルーへと変わっていた。



私はセナに対して空の話題に触れることもなく、結局二人は無言のままホテルのチェックアウトの手続きを済ませた。
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