罪線〜an imitation〜
「あぁ……うざってぇうざってぇ……」


俺が廊下のガラス窓を開けると、少し冷たい十月末の風が、校内の生温さをさらう。



気持ちが良い。



ハッキリ言って、誰が姿を消そうが、誰が害を被ろうが、ひいては、誰が死のうが俺には関係がない。

興味もない。

しかしそれは、俺が何も気付いていなかったから言えた言葉。

一見他愛のなく見えるその時も着実に、俺の視界に広がる日向で、闇は動めいていた。


距離のあったリアルは、意外と近くに潜んでいたんだ。


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