Eメール
ブルブル携帯が震える。

俺はすがるような気持ちで携帯を見る!

『純也君に天からの授け物をあげるよ。ちゃんと受け止めないと、割れちゃうから気を付けてね。』


天…俺は空を見た。

歩道橋に帽子を被ったマコトが巾着袋を道路に投げ捨てる姿が見えた。

ちょうど逆光で姿はよく見えない。

投げ捨てられたそれは解毒剤だと瞬時に判断。


…たしかちゃんと受け止めないと割れるとか言ってた。

下はコンクリートだ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!!!!!!?」

俺は走った!無我夢中で走った!目が霞むのも体が重いことも気にせずに。

あれは俺の命!!あれが割れたら俺は助からないっ!!

伸ばす!手をっ!
走る!足を!

少しでも早く…一歩でも大きく!
届け!届け俺の手!
自らの命をこの手で守るんだ!


ああ…走る度に足音が頭に響く。ズキズキしてダルい…。
くそぉ…まだあんなに距離があるじゃねぇか…。

駄目だ…なんか眠い…。目の前が白くなって来やがった…。

てか、時間長くね?
俺ってこんなに物事一杯考えられたっけ?
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