恐愛同級生

足が床にくっついてしまったみたいに動かせない。

息をうまく吸うことすらできず、瞬きすらもぎこちない。

ほんのわずかな間に色々なことが起きたせいか、頭の中の整理すらできない。

何……?

あたしの身の回りで一体何が起こっているの……?

どうしてこんなことになっているの……?


「莉乃……――。俺、莉乃とちゃんと話したい。今日、うちに来て?」

心配そうな翔があたしの体をキツく抱きしめる。

だけど、混乱しているあたしには翔の温もりすら感じることはできない。

ゼッタイニユルサナイ。

好未の言葉と憎しみに満ちた目を思い出すと、全身の毛がザワザワと粟立った。
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