恐愛同級生
だけど、あたしは知っていた。桜が人に厳しく、自分にはもっと厳しいことを。
桜が誰よりも早く学校へやってきて、教室で飼っているカメに餌をあげて、水槽の掃除をしていることを。
みんなが嫌がってしない掃除を率先して行っていること。
クラス全員分のノートを細い腕で必死に抱きかかえて、職員室から教室に運んでくれていること。
自分がその係りでなくても、気が付いたことは桜がなんでも引き受けてくれていた。
桜が頑張ってくれたから、あたし達は何の不自由もない学校生活を送っていられた。