俺は、兄貴と同じ恋をした



「えっ…?

あ、りんごじゃなくて…律花です」




「そっか、律花ちゃん。


仁大、なにかしなかった?」



心配そうに私の顔を覗き込む天沢のお兄さん。

喋るたびに綺麗な黒髪がサラサラとゆれる…

一週間前はあの遠いステージに立っていた人が


今は目の前にいる…!


手を伸ばせば届く距離にいる…!





それを思うだけで、心臓はドキドキしてうるさかった





「あっ…、え、大丈夫です!


天沢はなにも……あっ、天沢って言うのは仁大の方で…」



「ははっ、ややこしいね?


三智でいいよ」



ドキっ…




…先輩、こんな風に笑うんだ。

真剣な表情しか見たことないから、なんだか新鮮











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