クール上司と偽装レンアイ!?
「広瀬、引継ぎはしっかりやれよ」

朝井さんに対してと比較して、三割増しで棘の有る声だったかど、それはいつもの事なので、私は大人しく頷いた。

でも、別府課長が続けた話を聞いた途端、静まっていた感情が暴走してしまいそうになった。


「朝井は購買の業務に慣れるまで神崎のアシスタントをして貰う。慣れたらバイヤーとして担当を持って貰うから、神崎の仕事ぶりをよく見ておけよ」

「はい。神崎君には仕入先の訪問や打ち合わせ全てに同席したいと言ってあります。少しでも早く戦力になれるようにがんばります」

正直ショックだった。

朝井さんは私の仕事をとりあえず受けるけど、直ぐにバイヤーになる事が決まってるんだ。

私の仕事は購買部の業務に慣れる為の手段でしかないんだ。

それに葵と常に同行するような言い方。

自分をしっかりとアピールして、仕事に対しても貪欲。

初めて見た時はその容姿の雰囲気から大人しくて儚げな人の印象が強かった。

でも実際の朝井さんは私が思っていたより強いし、世渡りも上手そうだ。

葵への好意も疑いようがない。

私、この人の前で一週間普通にしてられるのかな。

期待されてやる気に溢れる朝井さん。

厄介払いされて落ち込む私。

あまりにも対照的な私と彼女だった。
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