クール上司と偽装レンアイ!?
藤原さんは神崎さんと同じ年位なのに、営業部の中でかなりの発言力を持つ出来る男だ。

しかも顔もスタイルも最高レベル。

スーツを着こなすセンスもいい。

女性社員からも凄く人気が有って、実は私も憧れてたけどこんなに接近したのは初めてだった。

遠くから見るより更にカッコいい。

「青陽社の材料の納期について聞きたいんだけど、今いいかな？」

呆然とする私に藤原さんはそれは素敵な笑顔を浮かべながら言った。

「は、はい！」

緊張して力が入った変な声になってしまった。

でも藤原さんは笑う事も無く、優しい口調で言った。

「このリストを見て欲しいんだけど」

リスト？

言われた通り直ぐに目を通す。

Ａ４の紙にバランス良くデータが記載されている。

グラフのレイアウトも完璧だ。

仕事が出来る人ってこういったリスト作成一つとっても違うんだよね……なんて関心していると、

「納品の日程が全体的に遅くてこのままじゃ納期遅延すると思う」

まさかの台詞が聞こえて来て一気に現実に戻された。

浮わついた気持ちになっていたけど、藤原さんの用件は購買部の管理ミスへのクレームだったんだ。

もう一度リストを確認する。

藤原さんが言った通り、かなり問題が有る納品スケジュールになっていた。

「す、すみません……すぐに確認して調整します」

慌てて頭を下げる私に、藤原さんは穏かな顔で頷いた。

「慌てなくていいから。問題が有るようならいつでも連絡して」

「は、はい」

優しい気遣いに感動してしまう。

完璧なイケメンだと言うのに、少しも奢ったところが無くて、思いやりが有って、なんていい人なんだろう。



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