クール上司と偽装レンアイ!?
藤原さんのおかげで濡れずにすんだ。

でも、今頭に浮かぶのは神崎さんの姿だった。



階段を上って二階の自分の部屋へ行く。

四畳半の小さな部屋に入ると、ラグの上に座り込んだ。

神崎さんに変な誤解されちゃったのかな。

まさか私と藤原さんが付き合ってるとは思わないだろうけど、私が片思いをしてるとかは思われたかも。

藤原さんは本当に素敵だし、女性社員の憧れの存在だし。

近付きたいと思ってる子は沢山いると思う。


でも私は……神崎さんに近付きたい。

少しずつ話せるようにはなってるけど、もっと近くで笑って話したい。

本当は……今夜、神崎さんに送ってもらいたかった。

そんな事をいつまでも考えながら、体は疲れ果てて眠りに付いた。




夢の中の神崎さんは優しい。

今夜も私を抱き締めてくれる。

「彩」

甘い囁きで呼びかけて、それから始る甘美な時間。



もう何度目か分からない神崎さんの夢。

最初は有り得ないって思ってたし、自分自身に引いてたけど、今はまた夢に見たいって思ってる……。

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