クール上司と偽装レンアイ!?
起きたのが遅かったせいも有るけど、4時なんてあっと言う間で身支度の時間が足りないくらいだった。

服も散々悩んでしまったし。

結局オフホワイトのニットワンピースに、柔らかな素材の黒いコートを着て行く事に決めた。

いつもより大人っぽい雰囲気だけど、神崎さんとのバランスを考えるとこんな感じかなって思って。

でも……自宅の近くまで迎えに来てくれた神崎さんは私の想像とは雰囲気が違っていた。

黒いセーターと濃い色のパンツ、オフホワイトのスエード素材のブルゾン。

どれも上質な物なのかもしれないけど、白いコートのせいか第一印象は結構派手だった。

オフィスでは地味なスーツ姿しか見た事無かったから、新鮮な気持になる。

ついじっと見てしまうと、神崎さんが眉をひそめながら言った。

「何？」

「あ、あの、私服だと雰囲気が違うなと思って」

「そう？　広瀬さんはいつもと変わらないな」

……一応、服もメイクも頑張って来たつもりなんですけど。

いつもと違うって、思って欲しかったんだけどな。

ちょっと残念だったけど、プライベートの神崎さんをこうして見れるのは嬉しい。

「乗って」

助手席に座れるのも。
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