クール上司と偽装レンアイ!?
「おはようございます」

いつもの様に挨拶をしながら自分の席に向う。

神崎さんはまだ居ないはず。

私より出社は早いけど、席に着くのは9時直前な事が多いから。

でも、今日は違っていた。

神崎さんは席に居て、その周りを数人が囲んでいる。

メンバーは営業部の藤原さんと、真壁さん。

それから真希ちゃんの居る設計部の男性社員。

最後の一人は見た事が無い女性だった。

誰だろう。何をしてるんだろう。

雰囲気的には和気藹々としていて、仕事の打ち合わせには見えないんだけど。

なんとなく近寄り難いけど、近付かないと自分の席に座れないからソロソロと近付いて行く。

別に私がコソコソする必要は無いけど、楽しそうにしている場の空気を壊したく無いし。

「広瀬さん、随分遅いのね」

私の気遣いは必要なかったようで、真壁さんがいきなり話かけて来た。
しかも少し嫌味気味に。

「おはようございます」

イラっとしながらも顔に出さないようにして挨拶をすると、なぜか真壁さんはニヤリと笑った。
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