君の王子様になるために
「よし、俺がなんとかしてあげるっ!」
「えっなんとかって?」
「大丈夫、任せてやっ!」
その時ちょうど2限目が始まるチャイムが鳴った。
俺は不安そうな小林ちゃんにピースサインを送る。
それを見て安心したのか彼女は小さく頷き、自分の席に帰って行った。
交渉成立。
うん、どうにかしてあげよう。
だってやっぱみんなが幸せになった方が嬉しいやん。
「ふーん、助けてあげるんや?」
自分の席に戻ってきた陽司。
その顔は、どことなく満足そう。