嘘つき偽彼氏






そして今日もあたしは
好きな男の子を眺めるために
弓道場に訪れる。


だけど………


あれ?


なぜかわからないけど
今日の弓道場は電気もついておらず真っ暗だ。



もしかして今日
部活休みとか?



そんなことを考えながら
あたしは道場の中を覗く。


って鍵空いてるのかな?


不安に思いながら
道場の扉に手をかける。



あ………。


カラカラカラ………。


あ、空いてる。



そしてゆっくりと
道場の中を見る。



ほのかに香るまだ新しい木の香り。


道場の中はシャッターが閉まっているせいで
真っ暗で、広すぎる道場内は
シンっと静まり返っていてちょっと不気味。



こうしてみるとちょっと怖い。


なんて考えながらも
あたしは誰もいないことを確認してから
道場の中に入る。



そしてソっと扉を閉めたとき………






















「だれ?」






道場の奥の方から
声が聞こえた。


























< 20 / 30 >

この作品をシェア

pagetop