たったひとりの君にだけ

恒例の如く、人の気持ちをえぐるような内容を。
見なければよかったと毎度のことながら後悔して。
着信拒否すればいいのに、やり方がわからないことを理由に放置している自分に相変わらずの呆れた溜息が漏れる。


本当は、このままじゃいけないことくらいわかっている。


嫌だと強く拒否しても、なかなか白旗を揚げてくれないことも。
仕事はバカみたいにデキるくせに、想定外の常識外れな行動を取ることも。
失礼かつ的を射る発言で、人の心の奥底に土足で入り込もうとすることも。


元を辿れば私の身勝手が生んだ結末であることを。

身勝手な私は、本当はわかっている。


けれど、本人の前で認めてしまうことを、私の厄介なプライドが許してくれない。



だから、早く消え去ってほしい。

遥か遠く、手の届かない場所へ。
< 279 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop