平等主義彼氏の彼女の苦労
二時十分前。
勝負の相手は、驚いた顔をしてやって来た。
「…美羽?」
何となく、結城さんの考えてることが分かった。
彼女には後日、チャンスをくれたお礼をしよう。
「待ってた。」
「うん…ごめん?」
「なんで疑問系なの(笑)」
私がふっと笑うと、玲音はいくらか安心したようだった。
「ってことは、結城さんは…「ねえ。」
これから、勝負に出るよ。
だから、今は結城さんのことは考えないでほしいの。
吐く白い息はいつもよりも熱を帯びているようで、自分が今、ひどく緊張してることが分かった。
私の真剣な声に、彼も緊張していることが伝わってくる。
「私ね、最近玲音が私から離れていってる気がして、ずっと不安だったんだ。
でもさ、私は弱虫だから。
なにも言わないまま、ずっとずるずる引きずってた。
…そのせいで、もう後戻りできなくなったんだよね。」
「え…?」
「だから、だから…
私、もう一度、玲音に告白します。
…そして、ふってください。」
「…え、ちょっと、美羽…!?」