君のそばにいてもいい?
第6章 不安

嵐の予感


「許斐さん!もう体調は大丈夫なの?」

私と桐谷が教室に戻ると、担任に心配そうな表情で言われた。

「はい、もう大丈夫です。」

「そう、それなら良かった!」

担任は女性で、明るくてものすごく優しい。かなり人気のある先生だ。

「あ、そういえば許斐さん」

「?なんでしょうか?」

担任が改まって言おうとするので、私は思わずゴクリと息をのむ。

「逢沢くんの幼なじみなのよね?」

突然そう聞かれ、私は少し驚く。

「は、はい」

「あ、それは逢沢くんから聞いたの。
それで逢沢くんからの提案なんだけど…」

担任は笑顔で

「まだ教科書届いてないから、付き合いの長い許斐さんに見せてもらいたいらしいの。
だから、許斐さんの隣に逢沢くんが行かせて欲しいって」

「え!?」

私はバッと深雪の方を向いた。
すると、深雪はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。

「だから、桐谷くんには移動してもらわなきゃいけないんだけど…」

…そういえば深雪って、昔から観察力に優れてて鋭い。
もしかしたら、深雪は私と桐谷が付き合ってることに感づいてるのかも…

何より、桐谷と席が離れるのが嫌だった。

どうしよう、と悩んでいると

「先生」
< 108 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop