君のそばにいてもいい?

大きな音の正体


『…蒼くん…っ』

… "蒼くん"…?

「…桜井…?」

桐谷はそう言うと、私の元を離れ、
図書室の鍵を開ける。

ガラッ

「…!あ、あおい…あおいくっ…!」

そう言いながら、桐谷に抱きつく声の主。
やっぱり、さっきの音と声は、麻結美ちゃんだったんだ…

麻結美ちゃんは桐谷に抱きつき、
泣きながら

「蒼くん…蒼くん…」

と何度も桐谷の名前を呼ぶ。

すると桐谷は麻結美ちゃんのことを抱きしめた。

…胸が締め付けられる。
私はその姿を見るのが耐えられなくなり

「…あ…私…」

重い口をやっと開き、

「教室…戻る…ね」

と言い残し、図書室を去る。



私は走った。
走って走って走って。また走って。

「…こんな涙、早く乾けばいいのに。」
< 57 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop